明けましておめでとうございます

大変遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
新年が、みなさまにとって健やかで実り多い年となりますように!

今年は、いよいよ新作『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの』が
春に公開されます。どうぞよろしくお願い致します。

さきほど3週間の日本滞在を終えて、NYに戻ったところです。
これから、いよいよプレス向け試写会がスタートします。
ステキなメインイメージも決定しました。

私がNYへ戻る前日、どか雪に見舞われた東京で、
マスコミとアート関係のごく少数の方を集めた内覧試写会を開きました。
(ありがたいことに、あの悪天候の中、20名ほどの方がベタ雪を
かきわけて来てくださいました!)

一体どんな反応があるのか。
楽しみでもあり、恐ろしくもあり、ドキドキでした。

前作の『ハーブ&ドロシー』完成後は、緊張が解けて脱力状態となり、
疲労も重なってしばらく寝込むほどでした。
今回はそんな暇もなく、できたてで湯気がまだ上がってる
マスター・テープをNYから抱えて帰国。

完成前のNYでは、音と映像が2フレームずれているとか、
コピーしたDVDの画面比率が間違った設定になっているとか、
最後の最後まで細かいトラブルが続き、
結局完成は、出発前日ぎりぎりまでかかりました。

NYでもまだスタッフ以外は完成作品を見ていないので、
今回が初めてのお披露目になるわけです。
いやはや、本当に緊張しました。最初の批評が下されるわけですから。

映画が終わってから、皆さんの表情を見回すと、
きょとんとしている人もいれば、涙をぬぐっている人もいれば、さまざま。
「質問をどうぞ」と言っても、手を挙げる人はゼロ。
うーん、何か反応にぶい?

心配していたのですが、その後個別にお話してみたら「心から感動した」
「前回より完成度が高くなっている」などのお声を聞けてほっと一息。
しかし一方で「アートに傾倒した内容なので、一般ウケしないんじゃないか」と
心配してくれる人も。

私としては、最初からア―トの話にしたかったので、そういうコメントは
当然予想していました。「現代アートの話だから日本では受けない」という意見は、前作の時にもさんざん聞きいたけれど、結果としては多くの人が見てくれた
わけです。確かに前作は、「夫婦愛」という切り口があったので、
一般の人にもウケが良かった。

でも、あれがアートの話じゃなかったら?
現代アートへのアレルギーは、日本でもここ2〜3年随分減ってるような
気がしていたし、ハーブ&ドロシーから入れば、
拒否反応も少ないのでは?と思ったけれど、どうなんでしょう?

もうひとつ。

ラスト・シーンの反応が極端なので驚きました。
ある女性からは、「感動しすぎて、涙が止まらなくて恥ずかしいくらい」という
意見があったと思うと、男性から「もっと感動的に作ればよかったのに」という声。ラストは、明かしてしまうと、まあハーブが亡くなった後のシーンなんですね。
私は、ここで自分の感情をぐっとこらえて、
あえて感傷的にならないように作りました。

100%言いたいところを70で抑えた感じ。そして、30は空白を空けておいて、
見てる人それぞれの気持ちで埋めてくれればいいと思っていた。
ところが、これが足りなくて、100で目一杯にして欲しかった、という意見。

つまり、今日言いたかったのは、世の中の人全てを満足させる作品にするのは
不可能ということ。当たり前すぎてアホらしく聞こえるかも知れませんが、
これを身体で覚えて納得するのは、結構難しいのです。
ローリングストーンズやピカソ、スピルバーグでさえ
人類全てに愛される作品を作れないわけですから。

何らかのネガティブな反応に出会うのは、表現者として避けられないプロセス。
前回もさんざんな目に会って、わかってはいるはずなのに、
やっぱり作品ができて、人前にさらす度にへこみますね。
これは、きっと一生続くのだと思います。